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第3回 “二段階の戦い”という人生の秘訣

第3回 “二段階の戦い”という人生の秘訣

ナイツ土屋が公認会計士の試験をあきらめた理由

佐藤 この対談の第1回で、土屋さんがかつて公認会計士の試験に挑戦していたというお話が出ました。
土屋 公認会計士試験の勉強は難関ですから、「これはとてもついていけないな」と自分の実力を判断した段階で、スパッとあきらめました。
佐藤 そこをきちんと客観視できているのはたいしたものです。司法試験や公認会計士のような国家試験に挑戦するとき、「自分がわからないところはどこか」と認識できていなければいけません。
 公認会計士の試験であれば、中学生時代の数学までさかのぼり、わからないところを全部一つひとつつぶしていけばいいわけです。焦っているだけで、わからないところまでいったん引き返す勇気をもてない。難しい問題ばかりに取り組み、全然理解できずイライラばかりが募る。こういう負のスパイラルに入ると、試験勉強がまったくうまく進まないまま、大学で8年間も試験のための留年をすることになります。

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 芸人の世界にも、中途半端な状態でずっとくすぶっている人がいます。死ぬ気で努力する勇気をもつのか、思いきっていったん後退する勇気をもつのか。進むも退くも、背水の陣で挑戦する勇気をもたない限り、納得のいかない現状は打破できません。
佐藤 外交官試験もそれなりの覚悟をもって集中的に勉強しなければまず受かりません。
土屋 僕も公認会計士の勉強に挑戦していた当時は、1日10時間の勉強をしていました。その疲れをやすために、塙さんがやっていたおちけん(落語研究会)のライブを見に行っていたんです。大学2年の秋、公認会計士試験のために入っていた創価大学の国研(国家試験研究室)をやめて、落研に入りました。
佐藤 国研から落研に足場を変えて、何が一番変わりましたか。
土屋 落研のメンバーは、お笑いをやりながら創価学会の活動を熱心にがんばっていました。その先輩の姿が魅力的だったのです。それまでの僕は、人とのコミュニケーションと対話があまり得意ではありませんでした。
 題目を唱え、創価学会の活動をしながら仏法について勉強を深めると、そんな自分の性格が明るく変わっていったんですよ。自分の命の状態を、初めて鏡で見たと言いましょうか。「この信心はすごいな」と思ったとき、塙さんから「一緒にお笑いをやろう」と声をかけられました。
 人とのコミュニケーションが苦手な僕でさえ、信心するうちに明るく積極的になれた。この信心さえあれば、この先、長い人生ずっと、塙さんの相方としてお笑いをやっていけるのではないか。そう思えたおかげで、僕は希望をもってお笑いの世界に飛び込むことができました。

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