創価学会学生部員と『世界宗教の条件とは何か』を語る

第6回 世の中の多様性を学ぶことの大切さ

第6回 世の中の多様性を学ぶことの大切さ

このほど佐藤優さんの創価大学課外連続講座をもとに編んだ新刊『世界宗教の条件とは何か』(小社刊)が出版された。同書は創価学会学生部メンバーの間で大変な反響を呼んでいる。そこで2019年11月23日、作家の佐藤優さんと創価学会学生部メンバーとの座談会が開催された。参加したのは、首都圏の大学・大学院に通う15人の代表。「佐藤優白熱教室」の模様を、全9回連載でお届けする。 学生の氏名は仮名、学年は座談会が行われた当時のものです。

公立学校に通うことの意味について

風見沙望(創価大学4年)私は創価学会3世で、両親も祖父母もともに入会しています。
高校は地元の公立高校に通っていました。創価大学に入るまで、もちろん池田大作先生を尊敬してはいましたが、先生は、はるか遠くに存在しているという意識が強くあったのです。創価大学に入学してから、寮や学内で池田先生の言葉に触れ、池田先生の著作をけんさんし、創大の友人とともに活動する中で、その考え方は少しずつ変わってきました。池田先生の言葉にただ触れるだけでなく、池田先生が取られてきた行動を学び深める中で、先生が一人の人間として行動を重ねられてきた事実をより深く感じるようになったのです。

「自分も池田先生に続き、一人の人間として、目の前の一人を大切にするところから行動を起こそう」。そう深く思うようになりました。「池田先生なら今どういう行動を取られるだろう」「どのような言葉をかけられるだろう」「どう励まされるだろう」と考えながら、行動を起こすようになりました。池田先生は私の人生の師匠です。先生の弟子として、世界平和のために行動を起こしたい。そういう思いを強くもつようになりました。

佐藤 創価大学に入って、今まで通っていた学校とはどう違っていましたか? 公立高校に通っていたの?

風見 はい。小中は地元の公立学校に通い、そのあと市立高校で勉強していました。

佐藤 どこがいちばん違った?

風見 公立の中学や高校にはもちろん私立とは違うカラーがありますし、尊敬し合える仲間にも出会いました。なんといっても、創価大学は創立者の存在がいちばん大きいです。創立者を求め、師弟を学ぶ。こういう姿勢は、公立学校の学生にはありません。
創価大学には学会員のメンバーが大勢いますし、友だちと研鑽を重ねながら師弟を求め、勉強を深められる環境があります。その環境の中で「こういう考え方もあるのか」「こういう行動の仕方もあるのか」「こういう実践の仕方もあるんだな」と学び、実践していく中で自分の考えを深められました。これは公立学校ではできなかった経験です。


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佐藤優著『世界宗教の条件とは何か』(小社刊)

佐藤 風見さんの場合、公立の中高で学んだ経験と蓄積がこの先で生きてくると思います。公立学校に通っていると、世の中にはガラの悪いヤンキーや不良がいるとか、共産党員の子どもがいるとか、そういうことが皮膚感覚でわかるよね。そういった経験を、創価大学の中で創価学園出身者と話すことにはすごく意味があります。お互いがいい刺激を受け合うはずです。
世の中には創価大学の人もいれば、それ以外の大学に通う人もいます。私立大学の人もいれば国公立大学の人もいる。いろいろな大学のメンバー集まる創価学会学生部の会合を通じて、皆さんは世の中の多様性を自然と知ることができるのです。

宗教者にとっての「定向進化」というワナ

佐藤 宗教の世界で一つ怖いのは「定向進化」なんですよ。図鑑で地層を見ると、土の模様や化石の並び方が時代に応じて一様ですよね。これを「定向進化」と言います。同じような環境で同じような言葉を使う人たちがいつも集まっていると、居心地がいい。その中心ではエネルギーが燃え盛っています。
でも気がついたら一つの方向だけに進んじゃっていて、悪気はないんだけど多様性がなくなってしまうかもしれません。その極端な例がカトリックの神学校です。カトリックの神学校に通う修道士は、極端に禁欲的な環境に置かれ、ラテン語や神学を一生懸命に勉強しなければなりません。そこで自分の欲望を処理できないと、うんと隠れたところでバレないように欲望を処理するダブルスタンダードが出てきます。それが今カトリック教会全体を揺るがす問題になっているわけです。

あのやり方は「定向進化」そのものです。普通の人間には守れないようなものすごい高度な倫理を要求する。ごく一部の修道士は守れるかもしれない。しかし圧倒的大多数の修道士は、とても守り切ることができないような厳しい倫理観です。
また、昨今私が大学生だったころ神父になった人は、たしか1カ月の給与が3万円くらいだったと思う。そのかわり食事と衣服と書籍は、全部教会が提供してくれます。同じ上智大学神学部を出ても、神父にならず民間企業に勤めている卒業生で、年収1500万円くらいの人は、民間企業には多くいます。すると「オレのほうが大学時代の成績は良かったのに、こっちの年収は36万円か」という感じで鬱屈してくるわけです。今はもう少し神父の給与も上がっているでしょうが、それほど多くはありません。

ちなみにプロテスタントの日本キリスト教団の場合、牧師になると公立高校と同じラインの賃金体系にすることを決めています。極端な清貧は求めません。この連載の第3回で、フランスに留学していた長谷部梨絵さんが「カトリック教会から改宗したメンバーがSGI(創価学会インタナショナル)にたくさん入会している」とおっしゃいました。カトリックからSGIに人が流れてきているということは、SGIの倫理規範が誰でも守れるレベルに落ち着いていることの証左です。

もちろん不倫をするとかいうことがよろしくないのは、一般常識で当たり前の話です。SGIでは1500万円稼ごうが誰からも文句は言われないし、飲み食いにおいても「酒は一滴も飲むな」なんて言われません。ヘロヘロに酔っぱらって会合にやってきて、人に迷惑をかけるようなことは奨励されないけどね。その程度の誰でも守れる倫理規範であることも、SGIに人が集まる要因のひとつです。

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