「ゆとり世代」を育てるリーダー力

第2回 若者を引っ張るオジサンマネジメント

第2回 若者を引っ張るオジサンマネジメント

監督と選手の距離感。私服姿を見せないという自らに課したルール

原田 シーズン中は、栗山監督も選手も全国を移動する日々が続きます。監督もたまには気晴らししたくなるときがあると思いますが、試合後に外へ出かけることはありますか。
栗山 お酒はもちろん飲んでもいいですが、飲みすぎるとロクなことはありません。監督が毎晩外に出かければ選手も遊びに行きやすくなりますが、僕はほとんど出かけないようにしています。それに僕が現役選手の時代、監督がお酒の席にまでやって来るのはとても嫌でした。
原田 選手が気をつかってリラックスできませんからね。
栗山 気を遣うのは選手ではなく、僕らスタッフの仕事です。マネージャーからは「監督は気を遣いすぎですよ」と言われますが。それに、監督と選手の距離感が詰まりすぎるのは良くありません。監督と選手が友だちになっては絶対いけないのです。
 ちなみに僕は、選手に私服姿は1回も見せたことがありません。ユニホームを着ていないオフのときにも必ずジャケットにパンツ姿。真夏には半袖シャツのクールビズであっても、ネクタイをつけるようにしています。よく「監督はGパンはもっているんですか」と言われますけどね。(笑)
原田 オフのときにも緊張感を忘れないためですか。
栗山 選手は自分の服装なんか大して気にしていないのかもしれませんが、どこで誰が見ているかわかりません。「プロ野球選手は人から見られる職業だ。だからいつも社会人として恥ずかしくない行動をとろう」という気持ちを忘れてほしくありませんし、僕自身、オフだからといって服装を崩しすぎないように気をつけています。
原田 ヤクルトスワローズで長年活躍した野村克也かつやさんも「選手とはプライベートで一度も食事に行ったことがない」とおっしゃっていました。
栗山 僕も野村さんと同じ考えです。選手と一定の距離感を保ちたいという思いもありますし、選手に嫌な思いをさせたくありません。なにしろプロ野球は給料の差がものすごい世界ですし、思うように活躍できず苦しんでいる選手もいます。特定の選手とは食事するのに、あまり活躍できていない選手とは食事をしない。こういうことでは、選手を無駄に苦しませてしまいます。
原田 青山学院大学駅伝の原すすむ監督は、選手と接するときに二つのルールにこだわっているそうです。一つは、寮から出かけるときに自分の名札を「不在」に裏返すのを忘れたら叱る。マラソンという時間の世界で生きている以上、寮への戻りが門限に遅れることも許されません。もう一つは、毎日選手と一緒に寮で朝食を食べる。
 この2点以外は、何でも自由にしているそうです。あとは選手と適切な距離感を保ちつつ、良い兄貴分を務めているのでしょうね。

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