「ゆとり世代」を育てるリーダー力

第2回 若者を引っ張るオジサンマネジメント

第2回 若者を引っ張るオジサンマネジメント

100%の育成環境が与えられなければ選手は採らない

原田 曜平 栗山監督は毎年秋のドラフト会議にのぞむにあたり、どういう視点で選手を見極めていますか。
栗山 英樹 僕が選手を選ぶときは、彼らが将来どのように育っていけるかイメージしながら慎重に判断します。ファイターズはちょっと特殊でして、育成選手は採らないんです。
原田 プロ野球の世界は、1軍と2軍合わせて1チーム70人という選手の枠が決まっています。これ以外に「育成選手」という枠で採用された選手は、給与面など厳しい環境下で野球をやりながら、2軍へい上がれるがあります。その育成選手の枠を、日本ハムは作らないのですね。

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北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督

栗山 ファイターズは選手に深い愛情をもっていますからね。ファーム(2軍)の試合数とメンバーの陣容を考えたとき、育成選手を何百打席も出場させてあげられない可能性があります。育成選手からファーム、ファームから1軍へと這い上がれる可能性が厳しいのであれば、若い選手は自分が選手として育つ環境をイメージできません。
 チームが若い選手に何を与えてあげられるのか。ドラフト会議に臨むあの丸テーブルでは、そういうヒソヒソ話をしていたりします。
原田 今のプロ野球の世界で、そういうやり方をしているチームは日本ハムくらいかもしれませんね。
栗山 球団が一人ひとりの選手に本気で愛情をもって向かい合ったとき、選手も命がけで試合に臨んでくれます。ほかのチームが目をつけない選手のところにまで、広いスカウト網をかける。そのうえで、選手にとって100%の育成環境を与えられるケースだけを見極めて採用していきます。
原田 少子化が進むなか、昔とは違って有名大学も全国の高校を回って「ウチはこういう大学ですよ」と懇切丁寧こんせつていねいに説明します。学生の要望を聞きながら「だったら君にはこの学部が合うと思うよ」とアドバイスしていく。昔のように「背中を見て育て」という育成法をやっているようでは、これからはどの大学も企業もダメになっていくでしょう。
「ここでがんばったら自分の可能性を伸ばせる」と納得できれば、学生も選手もモチベーションが上がります。その点、日本ハムはとても丁寧で温かい球団ですね。日本ハム流の人材採用のやり方は、今の時代にとても合っていると思います。

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