米中の攻防と日本の選択 記事トップ

第11回 北京発 G20杭州サミットを跨いで中国が掴もうとした国益

第11回 北京発 G20杭州サミットを跨いで中国が掴もうとした国益

 国慶節こっけいせつ(10月1日)を目前に控えた中国国内の一角で本稿を書いている。

 過去1カ月の中国外交を振り返ってみると、共産党指導部として持ち前の外交力を存分に発揮しつつ、自らの政治的権益を死守したように見受けられる。ここでいう外交力が主に依拠しているのは近年益々拡張的なベクトルを見せている経済力であり、政治的権益とは、中国共産党が絶対優位的な執政しっせいを続けるための正統性を守ることにつながる産物を指している。

 8月中旬から下旬にかけて、中国世論が官製メディアの掛け声を通じて、20カ国・地域(G20)首脳サミットの自国開催(2016年9月4〜5日)に関する話題で持ち切りとなっていくプロセスを、私はひしひしと感じていた。メディアは中国がG20サミットを主催することがいかに素晴らしいことかを、これでもか、これでもかというほどにひたすら強調し続けた。その背景には、中国共産党が胸にしまい込む三つの思惑おもわくが反映されていたように思う。

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中国・杭州でのG20首脳会合で配偶者も交えて記念写真に納まる各国の首脳たち 写真=共同

(1) G20サミットという国際的な一大会議のホスト役を買うことを通じて、中国の国際的影響力&発言権を向上させること。

(2) G20という枠組みこそが昨今の国際世論を代表し、国際秩序を構築していくうえで最有力のプラットフォーム(枠組み)であると示すこと。

(3) 国際世論を代表するG20を主催するまでに至った共産党のしんと実力を自国民に対して示し、国民の共産党に対する集団的忠誠を強化すること。

 だからこそ、失敗は許されなかった。開催都市である浙江チェーチャン杭州ハンチョウ市は習近平シージンピン国家主席が浙江省共産党委員会書記として勤務したことのある古巣である。国家指導者にとって縁のある地で失敗すれば、中国共産党としてだけではなく、習近平氏にまで恥をかかすことになりかねない。

 中国共産党指導部は、失敗の回避=円満な成功を目論むうえで、二つの伏線を張ろうとしていたように思う。一つは、開催地、特に会議場周辺におけるセキュリティを徹底的に強化することであり、もう一つは、各国首脳、および国際機関代表との会議で議論されるアジェンダ(議題)を徹底的に管理することである。

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