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第9回 佐藤優とナイツの仕事論②~仕事の向き不向き~

第9回 佐藤優とナイツの仕事論②~仕事の向き不向き~

「本当に好きな仕事」は長続きする

0035ナイツ×佐藤

佐藤優氏(中央)とナイツの塙宣之氏(左)と土屋伸之氏(右)

塙 宣之 佐藤さんから見て、明らかに才能がない作家志望の後輩がいたとします。単純に「がんばりたいんです」というこころざしだけで突っ走ってしまう。そういう人に「努力すればかならず芽は出るよ」と励ましますか。それとも「現実をよくえたうえで、違う道も考えてはどうか」とアドバイスしますか。
佐藤 優 そういう人から相談を受けたときには、私はこのようにアドバイスすると思います。
「本当に好きなことをやりながら食えなかった人は、私の周囲には一人もいない」。これは事実なのです。
 これは本当に興味深いお話ですね。
土屋 伸之 昔から「好きこそもののじょうなれ」と言いますけど、本当に好きな仕事であれば、自分なりに工夫してプロになっていける。好きな仕事をやりながら、たとえ最低限であっても生活のかてをしっかり得ていけるわけですね。
佐藤 「ただし、その仕事が本当に好きなのかどうか、あなたはよく見極めたほうがいいよ」ともアドバイスします。作家をやりながら年収が100万円に満たない状況が続けば、いくら好きなこととはいえ不平や不満が出てくるでしょう。酒におぼれてしまうかもしれません。
 そんな状態が長く続くようだと作品を書けなくなるということであるならば、それは本当に好きな仕事とは言えないのかもしれません。心から好きな仕事であり、苦労をいとわないのであれば、どこかでかならず芽が出てくるはずです。
土屋 や文句がすぐ口をついて飛び出すようでは、「好きな仕事」とは言えません。中途半端なこころがまえで仕事に取り組んでいれば、人は愚痴っぽくなってしまいます。
佐藤 私がこの大きな体を抱えて、今からマラソン走者になるとしましょう。「東京マラソンで100位以内に入りたい」と目標を立てるとします。こういう非現実的な目標を立てたら絶対にマラソンを好きにはなれません。
 ハードルが高すぎる目標を完遂かんすいするために、無理なトレーニングを重ねてマラソンが嫌いになってしまうでしょうね。
佐藤 今は3回までしか試験を受けられませんが、昔は「苦節10年」とか言って司法試験を10回連続で受けて落ち続ける人がいました。
「あなたは本当に法曹界ほうそうかいに入りたいのか。本当に弁護士になりたいのか。あるいは、心から裁判官なり検事になりたいと思っているのか」。そう質問したとき、はたしてこの人は自信をもって答えられるでしょうか。
 じつはこの人は、自分の心の中のヒエラルキー(序列)にとらわれているだけかもしれません。あるいは「人から良く見られたい」と思っているだけかもしれない。人から評価されたいのであれば、司法試験に受からなくても別の道があります。
土屋 「本当に好きなことなのかどうか」という視点は、仕事の適性を見極めるうえで大切なポイントなのですね。
佐藤 「この人は適性がないな」という人には「今キミがやっている仕事は、本当に好きなことなのかどうかよく考えてみたほうがいい。本当に好きなことだと思ったら、このまま思い切り突き進んでみたらいいよ」とアドバイスします。こう言うと、だいたいの人はコースを変えていきますけどね。

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