対談 与党・公明党の使命と責任を問う

対談 与党・公明党の使命と責任を問う

対談 与党・公明党の使命と責任を問う

 今年、公明党は自公連立政権発足から17年を迎えた。いま、公明党は何を考え国政に挑んでいるのか。政治学者の御厨貴氏が公明党代表・山口那津男氏にその使命と責任を問う。

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握手を交わす御厨貴東京大学名誉教授(左)と山口那津男公明党代表(右)

地方・中小企業とアベノミクス

御厨 7月10日の参議院選挙で、公明党は立候補した七つの選挙区で勝ちました。比例区では7人が当選し、参院選では過去最高の議席を獲得かくとくしています。
 公明党は参院選で①景気に力強さを②若者・女性が活躍できる希望社会へ③保育・介護に安心できる社会へ④東日本大震災、熊本地震からの復興へ―—という重要政策をかかげました。参院選を通じ、有権者からどんな手応えを感じましたか。
山口 2012年12月に成立した自公連立の安倍政権は、アベノミクスと経済再生にもっとも力を入れて取り組んできました。アベノミクスによって、雇用や賃金に一定の成果を上げ税収が伸びたものの、まだみちなかばです。地方、中小企業、個人にアベノミクスの効果を広げなければなりません。
 6月21日の党首討論会で、私は安倍首相に無年金対策をするべきだと進言しました。年金受給のために必要な加入期間を、25年から10年へと短縮たんしゅくするべきと訴えたのです。安倍首相からは「深刻で重大な問題」「喫緊の課題として実現に努力したい」という言葉を引き出しました。無年金対策という優先課題について、今後の経済対策に盛り込み実現していきます。
御厨 地方の中小企業の皆さんのところへ出かけ、講演をすることがよくあります。すると必ず「わが地域にアベノミクスの効果はいつきますか」とかれるんですよ。アベノミクスは茫漠ぼうばくとしていますから、地方の中小企業の人たちにはいま一つ実感がかないわけです。
 その点公明党は、アベノミクス以前から地方と中小企業に光を当てる努力をしてきました。公明党はそもそも地方議会からスタートした政党ですし、茫漠としたアベノミクスの弱点を補う役割を果たしたのではないでしょうか。
山口 選挙戦を通じ、私たち公明党は徹底して現場の小さな声に耳を傾けてきました。福岡県のイチゴ農家では、「戦う農業」「攻めの農業」を展開する明るい話も聞きました。「あまおう」というおいしいイチゴを作って香港・東南アジアや中東に輸出し、この3年間で輸出量が3倍まで増えたそうです。
 日本の農産物輸出額は3000億円程度で頭打ちになっていたのですが、この3年間で7000億円を超えるまで増加しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、日本は1兆円超を目指します。現場の声に耳を傾け、地域に分け入ってこういう話をすれば「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の効用とはこういうことなのか」と、納得と明るい展望が生まれます。
御厨 公明党は抽象論ちゅうしょうろんではなく、政策をすべて現実に可能なレベルに変換していくのですね。そうした公明党の姿勢が、参院選で有権者の理解を得られたように思います。
山口 13年7月の参院選で、私たちは「安定は、希望です。」というスローガンを掲げました。当時は民主党政権時代から衆参がねじれていましたから、まずはねじれを解消して安定した政治を作ることが目標だったわけです。この3年間、安定した政権運営によって成果を生み、希望が見えてきました。
 今回の参院選で公明党は「希望が、ゆきわたる国へ。」というスローガンを打ちました。いよいよこれから勢いをつけて地方と中小企業を活性化するべきときです。伸びた税収を分配に生かせば消費と売り上げが伸び、賃金に反映されて雇用も伸びます。
 民進党をはじめ野党は分配ばかりを声高こわだかに叫びますが、分配の元となる税収をどう生み出すか、経済をどう成長させるかという具体策がありません。
御厨 たしかに、野党の政策にはそこが欠けていますね。
山口 「成長と分配の好循環」をさらに生み出せば、道半ばであるアベノミクスの効果が皆さん一人ひとりの手元にまで及ぶのです。

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