「いま、公明党が考えていること」

第3回 「国民連合政府」構想を掲げる共産党の本質

第3回 「国民連合政府」構想を掲げる共産党の本質

「言論・出版問題」と「大阪事件」の勝利

 1964年11月17日に創立された公明党は、2014年に創立50周年を迎えました。他の政党が生まれては消えていくなか、なぜ公明党は半世紀も生き残り、今後も生き残り続けるのでしょう。

 1969年から70年にかけて起きた「言論・出版問題」について、公明党はようやく「この問題に関して、創価学会の対応は間違っていなかった」と言えるようになりました。『大衆とともに 公明党50年の歩み』には〈言論妨害のけいせきなど全くなく、話し合いは終始友好的に行われ、脅迫的な言辞はひとつもなかった〉(88ページ)という記述があります。

 衆議院総選挙の直前に『創価学会を斬る』なんてひどい本の広告が大々的に打たれる。それに対して「ちょっと待ってください。こんな本が出版されたら、公明党について理解してくれている人たちがみんな悲しみます。こういう本を出すのはやめてくれませんか」と働きかけることに何か問題がありますか? 何も問題はありません。

 言論妨害の実態なんてまったくなかったのに、公明党と創価学会は日本中からもうれつなバッシングをびました。こういうときには「一歩退却」が必要です。最終的な勝利のために辛抱強く時間を置き、世の中が冷静に受け入れてくれるようになってから、きちんと問題を整理すればいい。

「大阪事件」のときもそうでした。1957年4月、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長(当時=創価学会青年室長)は選挙違反の容疑で逮捕されています。このとき、池田SGI会長は自分の罪を認めるとも読める調書にサインしました。

 池田SGI会長の精神力と意志力をもってすれば、選挙違反を全面否認する調書を書けたはずです。完全黙秘もできました。もし否認調書、あるいは黙秘という選択をすれば戸田城聖・第二代会長を逮捕するというのが検察の目的でした。当時の戸田会長は重い病状でしたから、もし逮捕されるようなことがあれば、牧口常三郎・初代会長に続いて戸田会長まで獄中死する可能性は高かったと思います。

 戸田会長の獄中死を防ぐためには、池田SGI会長が「一歩退却」する必要がありました。そのうえで、池田SGI会長は公判闘争を通じて無罪という大勝利を勝ち取ったのです(1962年1月)。

 70年代後半にぼっぱつした「第一次宗門事件」のときにも、創価学会は宗門(日蓮正宗)に対して一歩引いて、池田SGI会長は第三代会長を辞任しました。しかし「第二次宗門事件」のときは(90年12月27日、日蓮正宗は池田SGI会長を法華講総講頭からめん。さらに91年11月7日、日蓮正宗は創価学会を破門)、創価学会は一歩も引かず宗門と戦い、そして勝利しました。創価学会の皆さんには、最後の勝利に至るプロセスにおいて、戦略的観点から半歩あるいは一歩引くという決断をすることがあります。これは、勝利を確信している人たちにしかできないことです。

 このような中長期的戦いによって、公明党は50年以上にわたり、分裂することもなく今日まで存続してきました。

1 2 3 4 5
★「潮WEB」無料アプリのダウンロードはこちら→ http://www.usio-mg.co.jp/app

関連記事

佐藤優 特別講演「いま、公明党が考えていること」第1回 平和を現実的にどう守るのか
佐藤優 特別講演「いま、公明党が考えていること」第2回 「核廃絶」への道筋と「軽減税率」導入の本当の効果

関連書籍紹介

『いま、公明党が』カバー(帯あり)

新書『いま、公明党が考えていること』佐藤優 山口那津男 著

潮出版社ホームページでのご購入はこちら
Amazonでのご購入はこちら
top
  • 連載一覧
  • 著者一覧
  • カテゴリ一覧
  • ランキング
  • facebook
  • twitter
Copyright © 2015 USHIO PUBLISHING CO.,LTD. All Rights Reserved.