「いま、公明党が考えていること」

第2回 「核廃絶」への道筋と「軽減税率」導入の本当の効果

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オバマ広島訪問と池田SGI会長の提言

 公明党の存在は、日本の外交においてさらに強い影響を及ぼしています。2016年5月27日、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問しました。オバマの広島訪問は、自民党の単独政権であれば絶対実現しなかったと思います。自公連立政権だからこそ、オバマの広島訪問が実現したのです。

 なぜか。1957年9月8日、創価学会の戸田城聖・第二代会長は「原水爆禁止宣言」を発表しました。核兵器の廃絶は、創価学会にとって極めて重要な原理原則です。2009年4月5日、オバマ大統領はチェコのプラハで「核なき世界」という演説を発表しました。その5カ月後の09年9月8日、池田SGI会長は「核兵器廃絶へ 民衆の大連帯を」と題する提言を発表しています。

 この提言についての説明を、創価学会の公式サイトからご紹介しましょう。

〈池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長は、戸田会長が「原水爆禁止宣言」を発表した9月8日に寄せて、「核兵器廃絶へ 民衆の大連帯を」と題する提言を発表した。(2009年9月8日)
提言ではまず、世界で核拡散の脅威が高まる中、アメリカのオバマ大統領が「核兵器のない世界」への決意を表明するなど、変化の兆しが見られることに言及。この動きを確かな潮流へと高めるためには、歴史家のトインビー博士が促していたように、各国が自らの意志で必要な変革に踏み出せるよう、歴史の教訓を真摯に学ぶ必要があると強調。その上で、戸田会長の「原水爆禁止宣言」の現代的意義として、「政治指導者の意識変革」「核兵器禁止の明確なビジョン」「人間の安全保障のグローバルな確立」の3点を挙げ、人類の生存権を守る立場から核兵器を絶対悪と位置付けた先見性について論じている。〉
http://www.sokanet.jp/sokuseki/koen_teigen/teigen/kakuhaizetsuhe.html

※池田SGI会長は、国連で、1978年、82年、88年と3回にわたり行われた軍縮特別総会に提言を寄せており、83年から毎年発表している「SGIの日」記念提言でも、核廃絶への提言を続けている。
1978年「核軍縮及び核廃絶への提唱――国連軍縮総会に対する提言」
1982年「軍縮及び核兵器廃絶への提言――第2回国連軍縮特別総会へ」
1988年「全面軍縮へ世界的潮流を――第3回国連軍縮特別総会へ記念提言」
全文は『池田大作全集』第1巻、第2巻を参照。

 公明党は、戸田会長、池田SGI会長の「核廃絶」の思想を根幹として、オバマ大統領をはじめとする世界の要人に広島・長崎への訪問を提言し続けています。たとえば、2014年4月に広島で初めて開催された核兵器を保有しない12カ国による「軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)」の外相会合で採択された「広島宣言」には、各国政治指導者による被爆地訪問の呼び掛けが盛り込まれています。

 さらに14年8月には、公明党核廃絶推進委員会が「8・6提言 核兵器のない世界に向けた法的枠組み構築へ積極的貢献を」と題した提言を行い、今年、日本で開催された主要国首脳会議(G8)の首相会合や外相会合などの行事を「広島・長崎で実現すべき」と呼び掛けています。

 まさにこうした考え方、行動が、自公連立政権を通じて自民党議員や外務省職員を感化していきました。原爆の被害にった広島の地にオバマ大統領を呼び、核廃絶の方向性を明確にしてもらう。こうした平和的アプローチが、安倍政権の「集合的無意識」に根づいてきたのです。創価学会の皆さんの日々の勤行、日々の祈り、日常的な活動が、オバマの広島訪問に結びついたと言ってもいいと思います。オバマ大統領の広島訪問は、創価学会の皆さんの大勝利なのです。

 現在アメリカ大統領選挙を戦っている共和党のトランプ候補は、「日本は安全保障について考え直せ。そうしなければ、米軍の日本駐留を見直すこともありうるぞ」とどうかつしています。トランプ氏は「中国も北朝鮮も核兵器をもっている。日本も核武装せよ」とまで言っているわけです。残念ながら、日本の保守勢力の一部にも核武装論を唱える勢力がいます。こうした中で広島を訪問することは、オバマ大統領にとって大変なリスクを伴ったことでしょう。

 16年4月11日にケリー国務長官が広島を訪問し、5月27日にはオバマ大統領が広島を訪問しました。トランプ的なアメリカではなく、アメリカはあくまでも平和を希求する。オバマの広島訪問は、アメリカの民衆の勝利でもありました。

 オバマの広島訪問を引き出した根っこには、現実的に平和を実現していこうという創価学会の皆さんの祈りがあります。09年9月8日に池田SGI会長が提言「核兵器廃絶へ 民衆の大連帯を」を発表しなければ、オバマ大統領の広島訪問はなかったかもしれません。現実に平和を実現するためには、人間の心を深いところから動かす動機が重要なのです。

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