「いま、公明党が考えていること」

第1回 平和を現実的にどう守るのか

第1回 平和を現実的にどう守るのか

「ベトナム戦争で戦え」SGIメンバーが取った選択

 平和安全法制をめぐり、公明党はどのように振る舞うべきか。その原点となる発想は、「山本伸一」こと池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長が書いた小説『新・人間革命』に書かれています。

 太平洋艦隊に所属するアメリカ海軍の兵隊の中に、SGIメンバーがいました。そのメンバーにベトナム戦争派遣の命令が下り、彼は悩んで山本伸一会長に指導を受けます。

かれは、ベトナム行きをなやつづけた。
 せんそうに行けば、ころされるかもしれない。あるいは、ぶんの手で、人を殺すことになるかもしれないのだ。
 だが、彼は、あいするぞくのためにも、こうせん使めいたすためにも、だんじて生きてかえりたかった。また、ぶっぽうしゃとして、ぜったいに人など殺すわけにはいかないとおもった。
 しかし、ぐんめいれいさからうことはできない。〉(『新・人間革命』第11巻「常勝」の章)

 山本伸一会長はこう指導します。

〈「しんぱいするひつようはありません。あなたには、ほんぞんがあるではありませんか。御本尊はすべてのねがいをかなえてくれます。だから、どんなじょうきょうでも、だいもくだけは忘れてはいけない。私も、あなたがにハワイにかえるまで、お題目を送り続けます」〉

 そのメンバーがベトナム戦争の戦場へ行ったとき、何が起きたのか。戦場で大砲が壊れ、修理に時間がかかっているうちに戦闘が終わってしまったのです。SGIメンバーは一発も砲弾を発射することなく、一人も殺生せずに任務は終了してしまったのです。ここは私の推察ですが、もしかしたら彼は、壊れた大砲をあえてすぐに直さなかったのかもしれません。「一生懸命仕事をやりすぎない」という智慧によって、ベトナム人を殺すことを避けることができたのではないでしょうか。

 信仰者としてギリギリの選択にさらされたとき、自分はどう振る舞うべきなのか。SGIメンバーがもし「私はベトナムなんて行きたくない。兵役を拒否して牢屋にぶちこまれたっていい」と結論したとしましょう。信念は貫き通せるかもしれませんが、彼の代わりに精鋭の兵隊が戦場へ派遣され、大砲を撃ち、多くのベトナム人を殺したかもしれません。

 兵役を拒否するのか。あるいは、命令に従って戦場には行くが、「一生懸命仕事をやりすぎない」のか。適度にサボタージュしながら、ギリギリのところで戦闘を避ける。どちらのほうが、現実的に平和を守ったと言えるのか。SGIメンバーと同様に、安保法制に直面した公明党は現実的に平和を守るため、ギリギリのところで戦ったのです。

 自分が今いる場所で、どうやってきちんと平和を守っていくのか。創価学会の皆さんも、創価学会と価値観を共有する公明党議員も、「存在論的平和主義」に基づいて日々行動しています。創価学会と公明党の行動の集積によって、大きな平和が現実的に生み出されているのです。(つづく)

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