米中の攻防と日本の選択 記事トップ

第8回 北京発 中国共産党が抱くG7伊勢志摩サミットへの対抗心とG20杭州サミットの展望

第8回 北京発 中国共産党が抱くG7伊勢志摩サミットへの対抗心とG20杭州サミットの展望

 5月27日、北京。

 夕方から夜にかけて、私は中国中央電子台(CCTV)と、国営新華社通信のウェブページを見ながら、中国共産党が日本の伊勢志摩で閉幕したばかりのG7首脳サミットをどのように評論するかを注視していた。

 しばらく眺めていると、「あれ、なんかおかしいな」という感覚が浮かんできた。

 G20。

 この固有名詞がクローズアップされている。G7首脳宣言やサミットのアジェンダ・内容を痛烈に批判したり、冷たく皮肉ったりする情景を予想していただけに、肩透かしを食らったような気分に陥った。G7に関する報道も散見されたが、それらはG20の影に隠れて埋没しているような様相を呈していた。

 一体何が起きているのか。

 若干じょう反応気味になってしまったが、テレビの番組やウェブページの記事に見入ってみると、5月27日という1日が中国外交にとって別の意味を擁している、より正確に言えば、もう一つの意義を見出していることが分かった。

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伊勢志摩サミット2日目の討議に臨む安倍首相(手前左)らG7各国首脳 写真=共同

「G20杭州ハンチョウ首脳サミットまで100日カウントダウン」

 正体はこれであった。なるほど、中国共産党指導部として、9月4〜5日に杭州でG20首脳サミットを主催するからには、G20という枠組みがG7という価値観をりょうしていることを見せつけたい。少なくとも中国国内の宣伝工作においては。ましてや、開催地の浙江ヂェージャン省杭州市は、習近平シージンピン現共産党総書記が勤務したことのある土地であることに考えを及ぼせば、その国内政治的重要性はなおさら強調されることになるのは必至である。

「G7閉幕日とG20百日カウントダウンが重なったのは偶然ですか?」

 CCTVの関連番組を眺めながら、旧知の中央宣伝部幹部に電話をかけた。

「我々は自分たちにできることをやるだけだ」

 いつになく冷徹な声の響き。2011年に世界遺産にも登録された杭州西湖の夜の水面が襲い掛かってくるようであった。

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