見えない階

見えない階

作品紹介

人は誰しも、人生という「階(きざはし)」を歩いている。
昇っているのか、それとも下っているのか。そしてその先に待っているものは…。
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京都・東山にある神社の階段下で、一人の男性の遺体が発見された。
同じころ、京都で心療内科クリニックを開院している本宮慶太郎のもとに、
あるセールスマンがやってくる。
彼には家に引きこもって出てこない五歳上の姉がいた。
近頃は会話も成り立たない姉のことを、意を決して慶太郎に相談するところから、運命の歯車が動き始める。

見えない階(きざはし) 目次

  • 2020.09.29 更新
  • 連載第十五回
  • 第二章    過 去(承前)       4(承前) 「僕だって、食べ物からそんな連想したくないよ。普通はもっとも結びつかないからこそ、当事者には衝撃が大きいんだ。うまく有効打にな...
  • 2020.08.29 更新
  • 連載第十四回
  • 第二章    過 去       3  孝昭が自宅アパートに戻ると、襖の向こうから友美の声がした。 「何? 姉ちゃん」  聞き取りにくかった。 「八恵って誰?」  今度はし...
  • 2020.07.30 更新
  • 連載第十三回
  • 第二章    過 去       2(承前) 「先生が軽々しく卑怯な戦法を考えておられるとは、私も思いません。いや、思いたくない」  光田の目はさらに鋭く、血走っている。わざと「...
  • 2020.06.29 更新
  • 連載第十二回
  • 第二章    過 去       1  孝昭は、八恵の目を見詰めながら返事を待った。 「分かりました」  と八恵はスマホを取り出し、父親に夕方からの診療を休みたいと連絡を入れた...
  • 2020.05.29 更新
  • 連載第十一回
  • 第一章(承前)       13(承前) 「先生は、それを確かめたかったんですか」  慶太郎の横に並んで、孝昭も下を覗く。  社務所のほうが賑やかになってきているのが、人の流れ...
  • 2020.04.27 更新
  • 連載第十回
  • 第一章(承前)       12(承前)  緊張して手の汗を拭う孝昭に反し、本宮医師は閉まった襖に向かって、平然と聞く。 「さっき孝昭くんと漫画の話をしていたんです。僕は手塚治虫...
  • 2020.03.28 更新
  • 連載第九回
  • 第一章(承前)       11(承前) 「先日先生のクリニックで拝見したものですね。これが遺留品って……いったいどういうことですか」  孝昭は桜型の紙をつまみ、目だけ慶太郎に向...
  • 2020.02.27 更新
  • 連載第八回
  • 第一章(承前)       10(承前)  すぐに電話に出た光田に、友美のことは伏せ、現場に残された桜の花型の紙片に付着していた指紋と、自分が採取した指紋とを照合できるかを問うた。...
  • 2020.01.31 更新
  • 連載第七回
  • 第一章(承前)       9(承前) 「直接じゃないですが、私は先輩から……いや、それはいいとして、お父様には紹介された男はシスコンだったって、言ってもらえればいいんです」  ...
  • 2019.12.25 更新
  • 連載第六回
  • 第一章(承前)       7(承前)  三〇分か、もっと長い時間が経っただろうか、孝昭は付けっぱなしのテレビ画面をぼんやりと見詰めていた。食欲はどこかへ失せ、温め直した酢豚とパッ...
  • 2019.11.27 更新
  • 連載第五回
  • 第一章(承前)       5(承前) 「何?」  声を上げたのは、孝昭だった。画面からテレビスタジオの慌てぶりが伝わってきたからだ。それが演出ではないことは、冷静でいなければな...
  • 2019.10.31 更新
  • 連載第四回
  • 第一章(承前)       4(承前)  注意しないといけない、慶太郎は心中で自分を戒めた。 「私も百万遍の近くで警察官の姿を見たわ。あれもその弁護士さんの事故を調べてたのかしら...
  • 2019.09.30 更新
  • 連載第三回
  • 第一章(承前)       3(承前)  慶太郎がアパートを出ると、後に続いた孝昭がドアを閉め、 「先生、ありがとうございました」  と頭を深々と下げた。 「お姉さん、よく話...
  • 2019.08.27 更新
  • 連載第二回
  • 第一章(承前)       2(承前)  次の日の午前中、「本宮心療内科クリニック」に導入する空気清浄機システムの見積もりを作成すると、それを携え孝昭は会社を出た。  医療機関の...
  • 2019.07.25 更新
  • 連載 第一回
  • プロローグ  水の匂いには敏感だ。どこをどう歩いてきたかは分からないが、気づくと目の前に川が流れていた。右手に橋が架かっていて、時折車のライトが行き交うのが見える。もっと水面に近づこうと石段を下りた。  ...

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